口臭

17 Dec '03 Update


口臭対策として、リンスやスプレーなど様々な物が現在売られています。もちろんシンガポール以外であれば、ガムによる口臭対策品も売られています。


これらは臭いのもとになる化学物質を吸収し、清涼感を伴う香料が入っている物がほとんどです。臭いが発生する原因が飲食物以外にある場合には、それを解決するものではありません。


口臭にはおおまかに分けると以下のように分類されます。
・ 飲食物(アルコール、ニンニク、香辛料等)による口臭
・ 病気に伴う口臭
・ 早朝時口臭、加齢による口臭、生理的口臭
・ 自臭症


・の口臭が発生する病気は、何も口の中に限った物ではありません。


胃炎や胃潰瘍・消化不良によっても消化器で発生した臭いが口から排出されることがあります。別部位の病気の臭いが口から漏れることは、呼吸器系・鼻咽喉疾患にも言えます。


代謝性の疾患によっても臭いが発生することがあります。新陳代謝のバランスが崩れ、体内の老廃物が溜まったりすることにより、汗や唾液などの分泌物が匂うこともあります。糖尿病が重度になってくると、甘い口臭を伴うこともありますし、代謝に伴う臭いとしては・に挙げられるような生理的な口臭や加齢臭も挙げられます。


もちろんお口の中の病気も口臭と関係します。


深くなったむしば歯周病、舌苔(舌の上にあるコケのようなもの)、口内炎などは典型的な臭いが発生します。


イヤな臭いを発生するのは、大部分においてイオウが含まれる化学物質が存在しています。そしてこのイオウを含む化学物質は腐敗性の細菌が活動することから発生しています。


腐敗性細菌の栄養源となるタンパク質は、口の中であれば、食べ物の残りかすであったり唾液や血液であったりします。また炎症や潰瘍により弱くなった自分(宿主)の粘膜組織も細菌にとっては栄養源となります。


口臭がすると感じている人、もしくは口臭を他人から指摘された人は、まず自分の体の調子を調べてみましょう。口の中に原因があると感じているのであれば、気になるところをフロスや綿棒でこすった後に、臭いをかいでみてください。歯や粘膜・舌をこすったものが匂うのであれば、間違いなく、そこに原因があります。


歯科医が口臭に対する診断を行うときには、口の中の状態(口腔内疾患、歯並びなど)や歯ブラシの仕方(清掃道具を含む)、生活習慣など様々な面から判断します。


現在の人間関係が複雑になった社会では、他人が臭いを感じ取れないのに、自分では臭いを感じると主張する方(・)もいます。歯科医や内科医によっても原因を究明できない場合には、カウンセリングなどによるメンタル面からのアプローチがされることもあります。


動物は臭いを付けることにより自己主張していきますが、人間は時によっては自分の臭いを消そうとすることがあります。「臭い対策も度を超しすぎると、自己の存在の否定にもつながる」、とも言われています。悩みがあるのであれば、それぞれの専門家に判断を仰いでみてください。悩みのもとがはっきりすれば、それは心身の健康につながるでしょう。

 

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