1. はじめに
2. 歯肉炎
3. 軽度の歯周病
4. 中等度の歯周病
5. 重度の歯周病
要旨 軽い歯周病は歯ぐきの少し深くまで病気が進んだものです。 |
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歯肉炎は歯と骨との間にあるクッションの役割を果たす膜(歯根膜)や骨には異常がないもののことをいうのに対して、歯周病はこの膜や骨にまで病態が進行したものをいいます。
軽い歯周病とは、歯根膜が無くなりはじめてきた状態を示します。ご自身で歯肉炎と軽い歯周病を見分けることは困難です。歯と歯ぐきは通常ぴったりとくっついていますが、炎症が起きると歯と歯ぐきとの間に隙間が出来ます。この隙間をポケットといいます。ポケットは単に歯ぐきが腫れているだけで出来ている場合もありますし、歯根膜が破壊されて出来ている場合もあります(別図参照)。歯周病の重傷度を測る際には、どれほどの歯根膜が破壊されているか(歯ぐきがどれくらい離れているか)が目安になってきます。軽い歯周病とはこの歯根膜の破壊が始まった時期を指します。
歯周病の原因としては、様々な素因があげられています。その中で大きな部分を占めているのが、歯の根もとに溜まった歯垢・歯石です。歯垢や歯石中には様々な細菌が存在し、唾液により洗い流すことはできません。局所的に集中した細菌は、さらに勢力を拡大しようと、弱い部分である歯と歯ぐきの接合部を攻め始めます。この接合部が破壊されると、歯根膜が露出します。この歯根膜上で行われる細菌と生体側との攻防戦が歯周病の進行や停滞につながります。
歯と歯ぐきの接合部がはがれることにより、歯の根元が露出することがあります。歯の根もとは硬いエナメル質に覆われていないため、歯の根もとがしみるという症状が出ることもあります。軽い歯周病はポケットが浅いため、歯石を取り除くのは比較的容易です。全身的な素因があまり無い場合には、定期的な歯石除去と日々の正確なブラッシングにより歯周病のコントロールは可能です。
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