歯ブラシの方法
あなたは今までどのような歯ブラシの仕方を習ってきたでしょうか?
義務教育期間では、虫歯予防週間前後に学校歯科医によるむしばの検診があったり、歯垢染め出し液を使った歯ブラシ指導があったりしたと思います。子供の頃に習った歯ブラシ方法を忠実に行っている方もいるでしょう。
現在の歯ブラシ指導では、年齢に合わせた、また予防すべき疾患や状態に合わせた様々な方法が採られてきています。子供の頃に教わった歯みがき法では、成人した今の状態では足りないものであるかもしれません。
以前では歯ブラシをくるくる回しながら歯全体を磨く方法(フォーンズ法)や、歯ブラシの軸を回転させながら一本ずつ磨く方法(ローリング法)などが一般的に教えられてきました。フォーンズ法は手先をうまく使うことが出来ない子供などへの歯ブラシの導入方法としては簡単であるものの、磨き残しが出やすいということも分かってきました。
現在ではスクラビング法がひろく勧められています。スクラビング法は歯の根元に毛先を垂直に当てて、小刻みに動かす方法です。歯の裏側で歯ブラシを垂直に当てられないところは、前歯では歯ブラシをたててブラシの角で磨き、奥歯では噛む面と裏側を同時に磨きます。歯ブラシの動かし方の小刻みに動かすことは同じです。
スクラビング法の長所は小刻みにブラシを動かすことにより、毛先が歯と歯の間や歯と歯ぐきの間に入り込み、すみずみまできれいに磨けることにあります。また歯ぐきへの適度なマッサージ効果もあるといわれています。
使用する歯ブラシは、ブラシ部分の大きさが前歯2本分ぐらいの幅のものがいいでしょう。コンパクトな長さのブラシを的確に一本ずつ歯に当てて磨くことが重要です。長いブラシのものは一度に多く磨けるように思うかもしれませんが、実際には歯に当たっていないところが多いものです。また歯ブラシが強く当たっている所とそうでない所ができてしまいます。まずは自分の歯ブラシの仕方を鏡で見て、どこの歯に歯ブラシが当たっているかを確かめると良いでしょう。歯ブラシがどこの歯に当たっているかの感覚が分かってくれば、鏡が無くても磨けるようになります。
歯ブラシを何分ぐらいすればいいのか、といった質問を受けることがあります。以前の歯みがき教育では最低限3分磨くといったことが教えられてきました。しかしながらこのことは3分磨けば十分、というわけではありません。部屋の掃除を何分すればきれいになるといった質問が意味の無いように、時間量ではなく質が重要です。歯ブラシは洗面台にたってするものという固定概念があるなら、それは捨ててください。すべての歯をきれいにするにはそれなりの時間が必要です。居間にでも座って手鏡を持ちながらじっくりと歯ブラシをしてみるのもいいでしょう。まずは自分がどのように磨いているかを認識し、それを改善するにはどうすればいいかを考えることが重要です。
もう少し詳しい歯磨き方法の解説
個人個人に合わせた歯ブラシ方法の助言・指導については担当の先生にご相談してみてください。
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