歯の治療のため14000Km飛んで当地に
Strait Times, 28 Feb 2005
Update 6 Mar 2005
【抄訳】医療費が多くの国で高くなるにつれて、多くの患者が国外に目を向けている。安い代替案だけではなく、休暇も一緒にとれるような所で。
シンガポールもその中の一つだ。
カリフォルニア在住のEva Dangは24時間・14000Kmと大西洋を飛び越えて、シンガポールの歯科医の予約を取っている。
彼女は言う「アメリカと同様に良質だし、ドクターはとてもプロフェッシヨナルで気配りが上手なの。しかも安いの」
アメリカでの治療にかかる費用見積もりはUS$56000 (S$91000) だったそうだが、シンガポールではUS$41000で済んだ。しかしそれだけがシンガポールに向かう理由ではない。彼女は熱帯気候の中、プールサイドでのんびりしたいとか、ホーカーで食を試したいとか、観光を楽しみたいなどの理由もある。
シンガポール観光局や保健産業によれば、「外国人が自分の国で見つけることのできないものを我々は持っている」という。しかしシンガポールだけが医療サービスにマーケティングしているわけではない。タイやマレーシアなどのアジア全域においても、医療とスパとのパッケージングを提供し、外国人患者をホテルや病院に誘致しています。
しかしシンガポールはその清潔なイメージや地域のメディカルセンターとしての名声という利点があります。CNNによれば、シンガポールは手札をうまく使うことによって、今世紀初頭の地球経済規模の縮小にあっても、拡大する医療サービス部門が、経済を押し上げられるだろうと言われています。
【解説】シンガポールは地理的な特徴から、周辺各国から多くの患者が来ています。マレーシアやインドネシアは勿論、インドやモルジブなどから診療に訪れる方もいます。周辺各国よりも優れた医療サービスを提供できるというのが、主な理由です。今回の記事では、欧米各国に比べるとシンガポールの医療費が安く、サービスは同等であることが紹介されています。
周辺各国も医療サービスが観光客を引き寄せる一つの要素となりうることに気づいています。上にも紹介されたタイのSPAパッケージング付の歯科治療もその一つですね。もちろん欧米各国の人々だけをターゲティングしているのではありません。アジア各国の中ではシンガポールの物価は高い部類に入りますので、シンガポール人向けのタイでのメディカルチェックツアーというものも販売されています。
シンガポールの公用語が英語であることは、大変なメリットにもなっています。また英語以外にも中国語、タミール語(インド系)も使えるとなると、ほとんどの国の人に接することが出来ます。このことは医療サービスを観光資源の一つとする上で、シンガポールは非常に優位であると言えるでしょう。
ひるがえって日本はどうでしょうか。実際には日本の医療費は非常に低く抑えられていると言えます。医療費の安さ・技術水準の高さを考えると、医療産業は素晴らしい観光資源となりうるはずです。ただ惜しむらくは、言葉の問題とか、日本独特の病院のお約束事でしょうか?