ウィルスについて
SARSウィルスについての詳細は分かっていません。
SARSの主原菌はコロナウィルスとされています。コロナウィルスは通常の風邪の原因となるものとして知られています。SARSの病原菌はコロナウィルスが変異して別系統に進化し、人体にとってさらに危険になったものと考えられています。現在はウィルスの特性を調査している段階です。ワクチンおよび抗ウィルス剤の開発にはさらに時間がかかります。(→予防について)
諸説言われていますが、正しい情報についてはしっかりとした情報源(シンガポール保健省・世界保健機構等)から入手することをお薦めします。
以下については、私見を混ぜたウィルスについてのお話です。
空気中に浮遊したウィルスの生存時間については一説に3時間という話もあります*。しかし空気中のウィルス濃度は非常に少ないものと考えます。現在のところ空気感染によるウィルスの伝播はないとされています。
*(5月4日追加記事)ウィルスは室温下の物体表面において24時間後も生存することが出来るものもあることが報告されました。また下痢などの排泄物中に存在するウィルスは数日間生存できることも確認されました。空気中に浮遊するウィルスの生存時間についてはまだ正確な報告がありません。
ウィルスは細菌とは違います。細菌は細胞分裂により自己増殖が出来ますが、ウィルスは体内で寄生してのみ自己の増殖が出来るものです。詳しく言うと、ウィルスは細胞という構造を持ちません。ウィルスは自己のDNAを寄生した細胞内に注入し、寄生した細胞によって自分と同じものを大量生産してもらうものなのです。空気中でウィルスが自己増殖することはあり得ません。
空気中のウィルス濃度を考えるとオープンエアである限り外出中に空気感染することはないと思われます。狭いエレベータ内や飛行機など密閉された空間に長期間いる場合には定かではありません。
そのため、私見ではありますが、第1原因は飛沫感染であり、第2原因として接触感染が有力と考えます。
接触感染には直接接触と間接接触によるものがあります。
直接接触は発病者の唾液や汗に直接体内に入ることを言います。
間接接触は発病者の体液がついたものに、知らないうちに触ってしまうことを言います。
例えば咳払いやくしゃみ・鼻をすする時に手を当てることがあります。その手でエレベータのボタンなどを押すこともあるでしょう。知らないうちに別の人が同じものをさわり、この触った手で口元や鼻をこすることにより、感染が成立することがあります。
感染者が触ったものを知らずに触れることがある。知らずに触れた手を無意識に口元や鼻に当てることがある。さらに口元や鼻をこすることがある。この間接的な感染経路は、日本の風邪にも当てはまるものです。そのため、帰宅時の手洗いやうがいが励行されるのです。(→予防について)
Copyright © 2002-2007 by Ko Djeng Gleneagles Pte Ltd. All
rights reserved.
All articles, including photos, illustrations and animations, are produced by
K. SAKURAI.
記事についてのお問い合わせはメールにて対応致します。