口腔疾患の予防
16 Aug 2003 Update
むし歯への対応は、近年予防的なケアに重点が移ってきています。むし歯やその他の口の中の問題が如何なる年代においても避けては通れない問題であり、歯をきちんと磨き・定期検診をしっかりと受けることこそが歯を健康に保つために重要です。
むし歯とは
歯はそれ自体にもむし歯に対する防御機能を持っています。それでも条件が悪くなると、この防御機能はいとも簡単に崩れてしまいます。
むし歯は酸によって生じます。酸が歯の表面を蝕んでいきます(エナメル質う蝕)。酸によって溶けた穴がエナメル質を貫通すると、中の象牙質という軟らかいところが露出してしまいます。内側の軟らかい部分で、虫歯は進行が早くなり広がっていきます。虫歯の穴が表面から見えることもありますし、歯と歯との間にあることもあります(象牙質う蝕)。虫歯が歯の神経の中に達すると、強い痛みを感じるようになります(歯髄炎)。
虫歯により穴が一度あくと、自然治癒することはありません。
虫歯の原因は
プラーク(歯垢)と呼ばれるものが虫歯を作る主犯格です。歯の表面にネバネバしたものがついていることがあります。ベロでさわるとザラザラした感じがするときもあります。これらがプラークです。
プラークはほとんどが細菌から出来ています。プラークは歯ブラシをしっかりとすることによって取り除くことが出来ます。しかし水に溶けることはないので、うがいだけで取ることは不可能です。プラーク中には数百万の細菌が含まれていて、高エネルギー源である砂糖等を得ると、瞬く間に活動を始め、酸を産生します。酸が長い時間歯に触れたままになると、歯は溶けて穴があいていきます。
プラークが存在しつづけると、2-12日後には石灰化して歯石になります。歯石になると歯ブラシだけではとれなくなり、専門家による除去が必要になってきます。
歯周病
歯肉炎は歯周病の初期段階であり、虫歯よりも発生頻度が実際には高いものです。しかしながら痛みを伴うなどの症状がないため、保護者にも見落とされがちです。歯肉炎は歯に溜まったプラークにより惹き起こされ、歯ぐきが赤くなったり、腫れぼったくなったりするものです。
歯周病は、歯を支える骨や繊維構造を弱くしたり、歯がぐらぐらしたりして、最終的に歯を失う病気です。例えばダウン症にかかっている子供などでは歯周病が進行しやすくなります。
歯を磨く際に一緒に歯ぐきをマッサージするように磨くこと(スクラビング法)が仕上げ磨きで出来れば、それが一番です。歯周病のわかりやすい徴候は歯ぐきからの出血です。歯ぐきからの出血が見られた際には、数日間今まで以上に丁寧なブラッシングを心がけてください。
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