レントゲン写真の安全性

2005.1.19 Update


的確な診断を行い、治療を進めていくために、歯科でもレントゲン写真を撮ることがあります。レントゲン写真は医科・歯科ともに使われていて、得られる画像は大変有益なものです。デメリットとしては放射線の被曝があるというのは御存知の通りです。


さて、そこで歯科の放射線の被曝というのはどれくらいのものでしょうか?


放射線の影響の指標として、白血病や悪性腫瘍が発生する確率(危険率)があります。歯科のレントゲンの危険率は数千万分の一から数億分の一となっています。


歯科で扱うレントゲンは、医科のものと比べても、照射部位(面積)が狭く、照射野(場所)も内臓や生殖器などの放射線の影響を受けやすい場所から離れているので、危険率は極めて低いものとなっています。


さらにレントゲン撮影を行う際には、重いエプロンを掛けています。あのエプロンの中には鉛が入っています。鉛は放射線を通しにくい物質になっていて、鉛の厚さ0.25mm相当で放射線量を100分の1に減らすことが出来ます。エプロンを掛けた上での危険率は、上の危険率から単純に計算すると数十億から数百億分の一となります。


以上のことから歯科レントゲン写真については、ほとんど放射線の被曝を杞憂する必要はないものと考えます。妊娠初期の胎児においては体が小さいことと細胞分裂・器官形成・形態分化が盛んなことから、危険度を想定しにくいため、妊娠中の方にはレントゲン撮影を控えることもあります。ただどうしても撮影する必要がある際には、胎児が被爆する放射線量はほとんどゼロに近いことをご説明の上、撮影をすることがあります。(レントゲン撮影の安全性については、国際放射線防護委員会において言及されています)

 

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