IGIを用いた実際のケース
右の写真は下顎左側臼歯部にインプラントを希望されている患者のレントゲン写真です(写真では右側)。
右側臼歯には短いインプラントが既に埋入されています。これは下のアゴの中に存在する神経の管を傷つけないようにするため、前医があえて短いインプラントを埋入したものです。しかしながら短いインプラントは、安定性に難があるのは否めません。
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右上の写真はCT画像を基づいた、理想的なインプラント植立位置のシミュレート図です。オレンジのラインがアゴの神経の走行位置、紫色がプラントの植立予定位置です。右側のインプラントと比べると、長いインプラントが植立出来るのが分かります。
右下の写真はアゴの骨の断面図を示しています。同様にオレンジ色がアゴの神経の位置、紫色がインプラントの予定位置です。アゴの神経を損傷することなく、インプラントが植立出来るのが分かります。
実際にインプラントを植立したレントゲン写真です。術後の神経麻痺もなく良好な結果となっています。
また上のインプラントの植立予定位置と寸分変わりなく、実際に埋められているのが分かります。(Case by Dr Y. Yeroshalmi, Israel)
右の写真は右上の側切歯(前から2番目の歯)が無くなっているケースです。歯と歯との間の幅は6mmです。一番径の細いインプラントの幅は3.3mmです。そのため隣在歯を傷つけないようにするには、正確に中央にインプラントを埋入しなくてはなりません。左右のマージンはそれぞれ1.35mmしかありません。
全くぶれることなくまっすぐに形成しないと、どちらかの歯の根を損傷する可能性があります。傾きが1度でも異なれば、事故を起こしてしまいます。
こういったケースでは、事故のおそれがあるので、インプラントは今までは薦められなかったでしょう。
右写真はCT写真から解析したインプラントの理想埋入位置です。
解剖学的形態に則したインプラント位置を決定しています。さらに埋入後、インプラントに正しく人工歯が乗ることが出来る角度も算出しています。これによりかみ合わせの力が正しくインプラントの方向に伝わることが出来るようになっています。
右の写真が術後の写真です。一目見ただけではインプラントがどこに入っているかを見分けることは出来ないでしょう。
IGI方式によるインプラントは、様々な解剖学形態を考慮した上で、最適なインプラントが植立出来る方法です。(Case by Dr Ng Fooi Chin, Ko Djeng Gleneagles)
このページの写真はすべてIGI Seminarで使われたスライド写真を載せています
執筆:桜井和郎
Ko Djeng Gleneagles