N95マスク
最近、スーパーやドラッグストアにもN95マスクが売られるようになってきました。中には外側が同じだけで、材質も内側の形状も違う模造品もあります。
実際にN95マスクが必要とされるのは、患者と密に接触する機会のある医療関係者であり、一般的には必要ないものです。マスクによる予防を考えるのであれば、サージカルマスクがあれば十分でしょう。ただ消費者心理として、用心に用心をこしすぎることはないと考える人が多いのは、致し方がないところです。
N95マスクは95%もの濾過効率があります。濾過効率が高いと言うことは、呼吸がしづらいと言うことにつながります。実際には30分も着けていると、息苦しさを感じます。1時間も着けていると、外の空気が吸いたいと感じるでしょう。実際の医療現場で長時間にわたり感染者と接する場合には、バッテリー駆動のベンチレーター付フェイスマスクを用いています。
シンガポールの高温多湿の中、N95マスクを着けて外を歩いている方もいますが、正しい装着をもししていたら、間違いなく酸欠で倒れると思います。長時間スイスイ歩いている方は、高いマスクを使用してはいるけれど、マスクの効果が得られていない可能性があります。
右はSARS講習会で行われた、N95マスクの装着についてのスナップです。
装着は両手の指で同時にマスクを押さえることにより、マスクをフィットさせます。
マスクのフィットが終わったら、マスクに手を当てて、深呼吸をします。呼吸時に空気がマスクの縁から漏れているようですと、装着が正しくできていません。
右はマスクが実際に効果を発揮しているかどうかをチェックしている風景です。
N95マスクを着けた後、潜水服のようなフェイスマスクを着け密閉空間を作ります。この空間内に香水に似たものを吹きかけ、マスクを着けている本人が臭いをかぐことがないかをチェックします。もちろん臭いが感じられるようですと、マスクの装着が正しく行われていないことになります。
その後頭をいろいろ動かしてみて、それでも臭いをかぐことが出来ないことをチェックします。
このような訓練をもとに医療関係者は実際の治療を行っています。尚写真は5月18日にNDCで行われた講習会の風景です。他にも手洗いの評価を行いました。
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