アルデンテ
13 Feb 2003 Update
パスタの茹で加減といえば、アルデンテと即答する方も多いでしょう。ゆであがる1分ぐらい前には、鍋の前で茹で加減を逐一チェックする方もいると思います。
アルデンテ (al dente) を英語表記にすれば to the tooth* になります。
dent, toothは歯を意味します。dentist, dental surgeon (歯科医師)、denture (義歯、入れ歯)、dentin
(歯の象牙質)、indent (歯のようなギザギザ、字下げ)など英語にもdentは使われていて、ラテン語由来の言語にはdentが歯の意味として使われています。
パスタの文化も今日本で流行の讃岐うどんの文化も歯ごたえという食感の楽しみ方は同じです。アルデンテも日本語に訳すと、(芯が固くて)歯ごたえのあるという意味合いになるように、おいしさに対する表現方法は日本もイタリアも同じになっています。味覚は舌にこそあれ、食感は歯がなくては味わえないものです。
「表面は弾力があって芯は歯ごたえがある」。これこそ美味しい麺の基本ですね。ここシンガポールで美味しいパスタの店を見つけるのは非常に難しいのですが、シンガポールの手打ち麺は本当に美味しいです。拉麺(ラーメン:拉は引くという意味)の文字通りの意味を目の前で確認しつつ、作りたての麺を食べるのはまた格別です。皆様も歯を大事にして、食感を楽しんでください。
*ちなみに英語表記でto the toothと言う表現は、下のような意味になります。
The troops armed to the tooth. 軍は完全武装した。
toothを英和辞書でひもといても、あまり楽しそうな例文がないんですよね。私の持っている辞書には食文化の例文がありませんでした。
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