1時間で白い歯に(解説)
31 July 2003 Update
1 July 2006 Update
【記事解説】
歯の漂白方法については、以前から基本的に変わっていません。
使われる薬は、過酸化水素や過酸化尿素が用いられています。これらの薬は洗濯物の漂白や髪の毛の脱色などにも使われています。低濃度では、傷口の消毒(オキシフル、オキシドール)に用いられています。
この過酸化水素や過酸化尿素は褐色の瓶に入っています。これは光や熱に当たると、酸素を発泡し、薬剤効果がなくなるからです。
過酸化水素は反応性が強く、何かに接触すると、それを分解し(汚れた物を浮かし)、発泡(分解したものを洗い流)します。この分解反応は、光や熱によって促進します。
反応を強く、短時間に行うため、以前までの方法ではタングステンライト、レーザー、キセノンライトなどを用いていました。現在広くシンガポールで使われているのはブライトスマイル(英語)、ズーム!です。これらは特定波長の光(青い色の光)に合わせて、賦活化する過酸化水素水ベースのジェルを用いています。ズーム!は近頃のTV番組でもよく取り上げられている物です。
過酸化水素は傷口の消毒や髪の毛の脱色に使われたことがある方にはお分かりの通り、皮膚や粘膜に当たるとしみることがあります。歯の漂白でも同じで、歯が一時的に知覚過敏になることがあります。
漂白に使う過酸化水素は、歯の表面のエナメル質および象牙質に浸透し、効果を発揮します。この際、漂白剤は歯の神経をいくらか刺激することになります。漂白の治療が終わり、歯の表面が再石灰化をすると、刺激物が入らなくなるので、知覚過敏になった歯の神経は次第に落ち着いてきます。
記事抄訳最下段にあるように、むしばや歯周病がある人はまずそちらの治療が優先となります。治療をしないで、漂白を行うと、知覚過敏になる確率が高くなります。歯科医は知覚過敏をなるべくおこさないような工夫をしていますが、資料によれば10%ぐらいの頻度で知覚過敏が起こっているようです。知覚過敏が起こった場合には、通常の知覚過敏の治療がおこなわれます。
数か月〜1年の間に目に見える着色は、煙草やお茶・コーヒー・赤ワインなどによる色素の沈着です。これらの色素沈着は、歯科医による歯のお掃除のみでもきれいになりますので、とくに漂白をする必要はありません。歯の漂白を考えている方は、まず歯のお掃除を歯科医に依頼し、そのうえで色についての相談をしてみるのもいいでしょう。
漂白を行った後のケアとしては、治療終了後しばらくは上に挙げた煙草やお茶・コーヒーなどはとらないようにしてください。また漂白剤により歯が構造的に弱くならないようにするための、フッ素入りのフォームもありますので、歯が弱いと感じている方はそちらもご使用下さい。
漂白後の色の後戻りについては、部分的に再度漂白治療を行うことがあります。その際には漂白の効果を再評価することになります。タッチアップにも使えるマニキュアタイプの歯に塗る漂白剤(Colgate社 Simply
White)があります。この商品はタッチアップ専用ではなく、簡便な歯の漂白にも用いられる製品です。TV CMもなされている商品なので、御存知の方もいらっしゃる
漂白については、いずれまた解説記事を設ける予定です。
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