むし歯・歯周病の予防
歯ブラシ/ 食べ物/ 飲み物/ フッ素/ 歯科検診

16 Aug 2003 Update


予防の要点にはいくつかあります。

その中で家庭内で行えることは、
○ 規則正しく歯をきれいに磨きプラークの沈着を抑えること。
○ 健康的な食生活(食べ物飲み物)を心がけること。
です。


1. 歯ブラシ
歯ブラシを正確にすることで、ある程度の虫歯は予防できます。
まず毎日最低2回は必ず歯ブラシをしてください。(→歯ブラシの方法


虫歯の出来やすい位置は
○ かみ合わせの溝
○ 歯と歯との間
○ 歯の根元の部分

 歯ブラシの際には、歯と歯ぐきの際のところに溜まるプラークについてもしっかりと取るようにしてください。(→虫歯の出来やすい位置


 夜に歯を磨いたら、その後決して食べたり飲んだりしないようにして下さい。

 


2. 食生活
 飲食物中の砂糖が虫歯を増長させるのは御存知の通りです。食製品の内容物表示にsucrose(蔗糖), maltose(麦芽糖), dextrose(ブドウ糖), fructose(果糖)などとあるものはすべて砂糖と同じようなものとお考え下さい。これらの糖分は薬品中に含まれることもあります。口にするものすべてを含め、糖分の摂取量に注意する必要があります。


 子供の場合3食の他に間食が必要になります。やはり間食にスナック菓子等を食べることは薦められません。間食についても糖分量に注意しなくてはいけません。お腹がすくと食べたくなるものですが、食事の時間をしっかりと決めておくことにより、食生活のしつけも可能になるはずです。そして食べ終わったら歯みがきをするのがベストですが、出来ない場合には水で口の中をよくすすぐよう指導して下さい。


 食事をすることにより口の中のpH(ペーハー;酸アルカリの指標、水素イオン指数)が変化します。一時的に口の中が酸性になっても、唾液の緩衝作用により徐々に中性に戻ります。一時的に脱灰した(溶けた)歯は、時間が経過すると再石灰化します。しかしこれらの作用がしっかりと働くには数時間が必要です。だらだらと食べつづけたり、たえず何かを少しずつ食べたりすることは避けて下さい。健康な歯を保つためには、口の中のpHが中性に戻るまでの時間や十分な再石灰化が出来る時間が必要なのです。

 


3. 飲み物
 虫歯を作り出す細菌のエネルギー源には糖分が必要です。虫歯の予防には、食べ物だけではなく飲み物中の糖分のコントロールをすることが必要です。健康的だと考えられる牛乳についてもlactose(乳糖)が含まれています。飲み物に含まれる糖分については、もう一度見直してみてください。精製糖だけではなく食べ物に元来含まれている糖分においても、歯に触れたまま放置しておくと虫歯菌が働き始め、酸が産生される可能性があります。


 このことは授乳期や離乳期における子供の授乳にも当てはまります。母乳にせよ代用乳にせよ、子供が眠りにつく前に授乳させると、虫歯が多発することがあります。虫歯が多発する子供は現在でも時折見かけられますが、これは上記の授乳(もしくは寝る前の飲食)により起きた結果が多いようです。子供の歯を守るために、1歳前後までには寝る前の授乳を止めて下さい。同様の理由により、寝る前の飲食も避けて下さい。


 fizzy(炭酸飲料)やsquash(果汁入り飲料水)、フルーツジュースなどは多くの糖分や炭酸(弱酸性成分)が含まれています。炭酸や柑橘系飲料(クエン酸)は酸性飲料であり、歯をむしばみやすくします。炭酸飲料水は多くの場合砂糖も含まれているため、子供のためには摂取を控えたほうがいいでしょう。どうしてもジュース類の摂取が避けられない場合には、ストローを使い飲むように指導して下さい。

 


4. フッ素
 フッ素は歯磨き粉や洗口液を使うことによって、歯の表面で吸収され歯が強くなります。シンガポールでは水道水中にフッ素をあらかじめ添加してあります。1 ppm(0.0001%)のフッ素添加により虫歯が50%抑えられるとされています。


 フッ素を効果的に適用するにはフッ素入りの歯磨き粉を使うのが一番です。ここで注意して欲しいことは、フッ素を飲み込むことにより全身的にフッ素が取り込まれると歯が変色する可能性があることです。歯磨き粉を歯みがきの最中に飲んでしまう可能性のある小さな子供(8歳以下)については、子供用歯磨き粉低濃度のフッ素配合)を使うようにして下さい。

 


5. 歯科医による検診
 子供には早めに歯科医院に行き雰囲気に慣れさせておくことが必要です。そして少なくとも1年に2回は検診を受けるようにしておきましょう。


 専門的な見地から、虫歯などの疾患について早期発見早期対応をしておくことは大変重要です。早めに歯科医院に行き親近感を覚えるようになっていれば、不必要な恐怖感を覚えることも少なくなるでしょう。歯科医は子供の検診・治療に際して、子供の興味を惹かせ、恐怖感を少なくするようにしています。まずはご相談してみて下さい。
→子供の歯科医院の受診について

 

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