1.はじめに 
2.初期のむし歯(表層脱灰) 
3.エナメル質のむし歯(かるいむし歯)
4.象牙質のむし歯(少し深くなったむし歯)
5.神経に達したむし歯(激痛を感じるむし歯
6.根の先に進んだむし歯
7.極度に進行したむし歯
 
- はじめに -
 

要旨

 細菌は集団行動を起こすことによって、細菌の住みやすい環境を作り出そうとします。彼らの行動の中で、高濃度の酸を抱え込むことがむしばの発生につながります。



むし歯。イヤな言葉ですね。

虫歯は細菌によってできることは御存知だと思います。それではお口の中にはどれほどの細菌がいるものなのでしょうか?


住み着いている細菌は、お口のきれいな人でも数十億匹以上*いるとされています。生まれたその時点で、お口の中は細菌にさらされることになります。もちろん皮膚の上、消化管の中でも細菌は存在しています。このこと自体は何の問題もありません。私たち自身が持っている抵抗力によって、通常は細菌の数、種類がコントロールされているのです。
*いわゆる歯垢中には1立方ミリ中に数億以上の細菌がいます。歯垢とは食べ物の残りかすではなく、集団状に集まった細菌が目に見えるようになったものです。


しかしながら、お口の中が清潔でない状態が続くと、細菌が集まり集団行動を起こすようになります。はじめは単独行動を起こしていた細菌は、仲間達が集まりやすく住みやすく出来るような粘着物をだします。次第に細菌の数が増えてくるようになると、集団(プラーク)の中で悪性度の高い腐敗性の細菌達をかくまうようになります。このことは下水などでべとべとになっている「ぬめり」を考えていただくと想像しやすいでしょう。べとべとした物が細菌を定着しやすくするためのものであり、臭いにおいを作り出しているのが腐敗性の細菌です。


また細菌が出す高濃度の酸を歯垢中にため込むと、唾液によって酸が洗い流されにくくなります。
酸によって歯の表面が溶け出されると、細菌達は歯の中へ中へと進み始めます。歯の中は硬いながらも有機質があるので、彼らはそれを食料*とし、その食料を追い求め続けます。彼らの飽くなき欲求がむしばの進行につながっていくことになります。
*カルシウムなどの無機質を食料としている細菌も報告されつつあります。


細菌が住み着きやすい所としては、
1.かみ合わせの溝
2.歯と歯の間
3.歯の根もと
が3大頻発部位としてあげられます。


反対に考えると、ここの部位をしっかりと磨くことが虫歯の予防につながります。


 

 

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